新人社員の飲み会を断ったエピソード

俺は会社のメンバーで飲みに行くことは嫌いじゃない。よく最近の若者が嫌がってネットに書き込んでいることを見るが、俺にはそういった感情はない。ただ、若者が会社の飲み会を嫌っているということに対して否定的というわけでもない。飲みたければ行けばいいし、飲みたくなければこなければいい。強制はするつもりはない。去年の話になるが、新入社員が飲み会を断った際のことを思い出したので、思い出して書いてみる。

 なぜこんなことを思い出したかというと、昨日仕事終わりにみんなで飲みに行った。俺は基本的に一人で仕事をしているので職場に上司も部下もいない。自分ひとりだ。(関係会社は何人かいるが) 本社勤務の人などは週に何回も飲みに行っているようだが、俺は一人でのみに行くほどではない。それなら家で飲んでいたほうがいいかなといった感じだ。

 

 

そんな一人の職場に仕事上3人の同僚が来てくれたため、みんなで飲みに行ったという感じだ。全員俺より年上でみんな飲み会が大好きなようだ。飲み会が終わってふと昔のことを思い出していたら、新入社員が飲み会を断ったことを思い出したという感じだ。

 

あれは去年の忘年会前の話だった。部署全体で100人以上の従業員がいるのだが、そのメンバー全員で行う忘年会の幹事に私はなってしまった。立候補したわけではないのだが、上司の「今年はよろしく」の一声で幹事になってしまった。もちろん一人ではできないので、幹事仲間として、6人の新入社員をつけてくれた。幹事はどんなことをするかというと、会場の中盤でゲームを行うのだがその内容を決めたり、景品を買ってきたりとそういった仕事だ。当然当日に全て行うということはできないので、事前に何度か集まって打合せをする必要があった。

 

仕事が終わった後、上司1人、新入社員6人、俺の8人での打ち合わせが始まった。ゲームの内容を決め、景品を買いに行く日程を決めたところで打ち合わせが終了したが、俺はこの後のみに行くものだと思っていた。まぁ俺が行こうと思っているというよりは、上司が行こうというだろうと思っていた。言わないかもしれないが言われてもいいようにそれなりに準備をしてきていた。(行くという心構えね)

 

案の定上司は、「んじゃ懇親会ということで飲みに行こうか」と口を開く。俺は「やっぱりね」と思って満場一致かと思いきや、

 

「すみません!」と元気のいい声が聞こえてきた。

「僕今日用事あるんでいけません」と彼は行った。それは仕方ないと思った矢先、

「僕も用事あるんで無理です」

「僕もです」

「僕も用事あります」

「自分も無理です」

「僕もいけません」

と立て続けに「いけません」の連呼が始まった。もちろん、俺は別に文句を言うつもりもないし、結局何人残ることになったかもわからないので、「ではいける人だけで行きましょうか」というと、「お疲れ様でした!」と元気よく去っていた。最終的に、俺と上司だけになり、上司は寂しそうに

「んじゃ俺らも帰るか」というので、

「二人でのみに行かないんですか?」と聞くと

「いけるのか?じゃいこう!」と二人でのみに行くことになった。

 

冒頭にも言ったが、飲みたくないなら別にこなくてもいいと思ってる。本当に用事があるのかただ行きたくなかっただけなのかはわからないが、そんなことでぐちぐち言うつもりはない。だから、これを読んでいて、会社の飲み会に極力参加したくないという人はその行動を貫いてもらってかまわない。もちろん、上司と仲良くなっておけば、仕事が有利に進むかもしれないし、親睦も深まると思うけど、それらを天秤にかけてそれでも行きたくないと思ったのだろうから何の問題もない。俺もそうされても、会社で無視したりなんてしない。しかし一つだけお願いがある。こんな俺たちをあまり馬鹿にしないでほしい。

 

今回去った新入社員の6名は俺とは違う部署ではあるが、6名は全員同じ部署で働いている。みんな同じ方向へ帰っていった。もちろんそこでどんな話になったかわからないがネガティブな予想をすると。

「〇〇君ナイス!よく言い出した!」

「いやいや、自分を守るために言ったまでよ。でもみんな言い出しやすくなってファインプレイだったでしょ!」

「マジ助かったよー」

「ほんと、死んでも行きたくないよな」

「何でもかんでも飲めばいいと思ってるんだよな」

「日本の社会の悪い部分だよな」

「んじゃおつかれー」

なんて話しているのかもしれない。そこまで言わなくても良いでしょ。(実際に言っているかわからないが) もし本当にこういう会話があったとしたらそれは少し悲しいかなと思う。俺の行動が絶対悪であればそういわれても仕方ないが、これは行動の一つだ。若者が飲みにいかないということは、もちろん否定しない。だから飲みに行くという行動も否定するな。それが唯一のお願いだ。(まぁ、飲み会を強要するようであれば、それも仕方ないが)